細い目がコンプレックスでした。
二重なのに何故かパッチリしない糸目で、一重の人のほうが目が大きく見えるのではないかというくらい細い目だったのです。
たまに一重の友達から二重で良いなと言われることがありましたが、一重でも自分より大きな目が羨ましかったです。
高校生になってからは、怒ることが少なくて優しいからと菩薩と呼ばれることがあったのですが、男子からは目が細いからだとからかわれてしまいました。
呼んでいた女友達にそういった意図はなかったと信じたいですが、クラスの男子からからかわれたせいで菩薩と呼ばれることも嫌になりました。
大学生になってからはあからさまに目のことを言う人はいなかったです。
そもそも、化粧によってなるべく大きな目に見えるように頑張っていました。
嬉しいことに恋人が出来たのですが、初めてのお泊りでお風呂に入ったときに化粧を取ると、彼氏から目の印象がだいぶ変わると言われてしまったのです。
直接細すぎるなどと言われたわけでも馬鹿にされたわけでもありませんが、恥ずかしい気持ちや惨めな気持ちでいっぱいになりました。
思わず泣いてしまったところ、雰囲気は違うけれどどっちも好きだと言ってくれ、気を遣わせたと一層申し訳ない気持ちになったのです。
彼氏が目のことを言ってくることは一切なく、周りからも何も言われない生活が続きました。
しかし、人に見せる機会が少なくても自分では毎朝細い目を見ることになります。
どうにかしたいなと思っていたところ、電車の吊革で美容クリニックの広告を見つけてしまったのです。